2018年12月30日日曜日

ブックカフェってどうなの

ブックカフェってどうなの

December 26, 2018 at 10:00AM更新
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先日、久しぶりに伺った書店が大幅リニューアル。人文・社会などの専門書棚が大幅に減り、カフェコーナーが作られていました。

カフェ併設書店が大きく取り上げられたのは2003年頃、三省堂書店東京大丸店(閉店)、TSUTAYA TOKYO ROPPONGIだったと記憶しています。購入前の本をカフェスペースに持ち込むことが出来るということでテレビにも取り上げられ話題になりました。

それから15年が経過し、現在カフェ併設の新刊書店は何店舗くらいあるのでしょう?(どこかにデータってあります?)

スターバックスカフェ店舗検索によるとBook&Cafeは56店舗(主にTSUTAYA)。それ以外でも最近くまざわ書店は積極的にカフェ併設を打ち出していますし、全国で200店舗位はあるかもしれません。

最初の頃は顧客サービスの新しい取り組みとして「こんな書店もありかな」と思っていたのですが、増えてゆくカフェ併設店に対してそろそろ一定のルールを設けるべきなのではないでしょうか? 具体的には奥付とスリップのボーズ部分に可否表示をして、カフェコーナー持込が出来る書籍なのかを明らかにする。取次見本出し時に可否を申告できるようにする事でしょうか。現実的に対応出来るかは難しいかもしれませんが、何らかの意思表示が必要だと考えています。

理由にはもちろん商品の汚損の問題もありますが、それ以上に書店が無料で本を読めるスペース化することに懸念を抱いています。飲食可能で最新刊を読むことが可能になる。これは図書館の新刊購入問題以上の案件だと思いますが、どこか問題にされている大手版元はありますか?

カフェ併設が書籍・雑誌の売り上げへの貢献を示すデータは今後出てくるかもしれません。しかし本の購入者へのサービスであるカフェが、やがてカフェ利用者へのサービスとして本が持ち込めるという状況になった場合、版元としてどのように拒否したら良いのでしょうか。現時点で上手い方法が思い浮かびません。

かといって全面的にカフェスペースに疑問符を付けているわけでは無く、本の売り上げに貢献していれば問題ありませんし、新しくオープンした「文喫」の新しい取り組みにも注目しています。

オンライン書店での購入が一般化し、本を知る、本を購入する導線が変化してきた現在、リアル店舗で購入する事に理由付けが必要になってきたのかも知れません。その理由の一つが「カフェがあるから」と言うのは少し寂しいなと個人的に思う昨今です。

水曜社の本の一覧


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